ABOUT

世界も、自分も、うつくしく。Love&sense

「かっこいい」×「信頼」のフェアトレード商品を届けたい

Love&senseはフェアトレードのセレクトショップです。2006年の会社設立から15年以上フェアトレードに取り組み、さまざまな国の生産者の手仕事の商品を、日本にお届けしています。

環境破壊や紛争、人身売買、児童労働などの背景には、途上国の抱える「貧困」があります。日本で生活している私たちも、そうした貧困の発生に遠隔的に関わっています。

Love&senseは、そんな貧困をなくすための手段として、「フェアトレード」―― つまり“誰かの笑顔につながるお買い物”が一つの価値になるように、株式会社福市のフェアトレード部門として誕生しました。
より多くの人に、フェアトレードの商品を通じて世界の問題を身近に感じてもらうことで、持続可能な社会に向けて行動する人を増やしたいと考えています。

フェアトレードの課題

「かわいそうだから買ってあげる」。チャリティ商品の場合、そう言って購入してもらえることがあります。でも、ほとんどの場合、次の購入にはつながりません。

チャリティの視点で、フェアトレードの取り組みを継続するのはとても難しいことです。

また、フェアトレードに関心がある人はいるものの、実際に商品を購入している人はさほど多くありません。その一番の理由は、どこで販売しているのかわからないという点にあることがわかりました。

そこで私たちは、フェアトレード事業を始めるにあたり、2つの目標を設定しました。

ひとつは、“「かっこいい」をつくる”。もうひとつは、“「信頼」をつくる”です。

「かっこいい」をつくる

ファッションの展示会・rooms27での展示風景

チャリティの枠組みから脱却するため、「かっこいいね」と言われることを意識して商品を揃えました。魅力ある商品をセレクトするだけでなく、国内外のデザイナーとのコレボレーションによって、洗練された、ちょっと自慢できるような個性的な商品を開発してお届けしています。

2014年には、日本で初めてソーシャルプロダクツの普及・推進を目的に設けられた制度である「ソーシャルプロダクツ・アワード」で、「特別賞 アイデア×デザイン」を受賞しました。

「信頼」をつくる

Love&sense 阪急うめだ本店

これまで関心のなかった人にも、フェアトレードのことを伝えたい。それには、百貨店や商業施設など、誰もが知っていてアクセスしやすい場所でフェアトレードの商品を販売することが必要だと考えました。百貨店に店舗があるということは「信頼」の証。商品を安定した品質で継続的に届けることにもつながります。

多くの商業施設や百貨店でのイベントを経て、2012年に阪急百貨店うめだ本店に常設店舗をオープンしました。フェアトレードの業界で百貨店の本店にお店を開いたのは、Love&senseが日本初です。生産者の方たちも、自分たちの商品が綺麗な売り場に並んでいることを誇りに思い、よりいっそう丁寧に仕事に取り組んでくれるようになりました。

途上国のパートナーと共に育つ

私たちの考えるフェアトレード

WFTO(World Fair Trade Organization)やFI(Fairtrade International)など、さまざまなフェアトレードの認証機関が世界各国に存在しています。私たちが扱っている商品の多くは、フェアトレードの認証商品や認証をうけた団体の物です。

しかし、認証を取得していない小さなグループとも取引を行っています。言葉の壁や教育、ネット環境などが整っていないエリアでは、そもそも認証制度にアクセスできません。認証のあるなしに関わらず、困難な状況に置かれている人たちと共に取り組むことがフェアトレードの理念だと考えているからです。

広がる笑顔!笑顔!

現地を訪問すると、多くの笑顔に囲まれます。パートナーとして、共に考え、商品づくりのためのいくつかのハードルを越え、そして喜びを分かち合いながら、常に対等で、切磋琢磨して共に育つ姿勢を大切にしています。彼らは、自分たちがつくった商品が、百貨店や商業施設など華やかな売り場に、きれいにスポットライトを浴びて陳列されている様子を見ることで、 自分たちの取り組みに誇りを持ってくれています。

世界中に広がるネットワーク

株式会社福市設立10周年に際して頂いたメッセージ

私たちは、フェアトレードの国際会議にも参加し、日本での取り組みや、商品開発にあたってのポイントなどを、途上国の方たちに講演したり、ノウハウを伝えたりしています。より多くのフェアトレードの生産者グループに成長してもらいたいからです。
2016年に訪れた、WFTO-asiaの国際会議では、弊社の設立10年に多くの方がメッセージを贈ってくれました。

日本でも厳しい環境にいる人たちと共に取り組む

2011年に起こった東日本大震災。地震や津波によって困難な状況に置かれた人たちに向けても、フェアトレードの仕組みを用いて「EAST LOOP」というプロジェクトを設立しました。
かぎ編みでできるブローチの生産を行い、すべて買い取り、国内外で販売し、200名以上の女性たちをサポートしてきました。いまでは彼女たちが中心となって法人を設立し、被災した人に限らずさまざまな人が参加する新たなビジネスへと成長しています。


Love&senseを始めた背景

OUR HISTORY

マーケティング会社の時代に

代表の高津は1991年にマーケティングの会社を起業しました。素敵な商品に囲まれる豊かな暮らしを提案したいと思い、企業と商品開発や売り場の構築、PRなどを手掛けていました。しかし、デフレが進む中で、安さばかりが求められ、違和感を感じるようになったのです。そんなときにたまたま知ったフェアトレードの概念に共感し、さっそく途上国を訪れました。海外経験は豊富であったものの、観光地以外の途上国に行くことはあまりなく、知らなかったことに出会い衝撃を受けました。

それは、商品を安く作るために、過度な搾取や環境破壊が行われていたことです。

人の暮らしを豊かにしたいと思っていたにも関わらず、もし誰かにしわ寄せが及んでいたのであれば、私が行っていることはいったい何なのだろう。そう強く思いました。

フェアトレードをどうしたら普及できる?

国際NGOオックスファム(Oxfam)

帰国後、すぐにフェアトレードの考えや商品を扱うことを取引先に提案しましたが、2000年代前半にはまったく相手にされませんでした。当時のフェアトレード商品も日本の品質に見合うようなものはなく、途方に暮れるばかり。

そんなときに出会ったのが、イギリスのNGOオックスファムです。英国で700店舗もある直営店舗では、古着のドネーションとともに、フェアトレードの商品を扱っていました。NGOであれば、品質の不安定な商品でも販売できるかもしれないと、日本でのオックスファムの設立に参加しました。この経験を通して途上国支援の最前線を知り、フェアトレードの重要性を再確認しました。

そして、「日本社会でフェアトレードを広めていくためには、流通業にも通用するような品質とデザインが不可欠だ」と考えを新たにしました。そのためには、多様な背景をもった人たちの集まりであるNGOでの取り組みは難しいと判断し、自ら会社を設立する方向に舵を切りました。

走りながら考える

しかし、当時はフェアトレードの概念もあやふやでした。

「フェアトレードを名乗るのであれば、その概念を確立させなければいけない」と国内の識者を訪ねましたが、明確な回答を得ることができず、ならばと、WFTO(World Fair Trade Organization)とFI(Fairtrade International)を訪ねました。幸運にもFIのディレクターと面談の機会を持つことができ、自らの悩みをぶつけてみました。

「認証ラベルは必要と思うが、ラベルをつけることのできない人達のことはどう思っているのか」。

彼の答えは明確でした。

「私たちも、そのことは、理解している。しかし認証ラベルをつけることによって救われる人たちも多く、私たちは認証ラベルを推進している。すべてのことを解決するすべが見えていなくても 走りながら考えることもできるのではないか」と。

あやふやなものも世の中にはたくさんある。しかし、その解決だけにこだわっていても、変化は起こせない。この言葉が腑に落ちて、株式会社福市を迷いなく設立することを決めました。


Love&senseがめざす未来

OUR FUTURE
私たちのミッション

持続可能な社会に向けて
行動する人を増やす

スタートした当時、フェアトレードの認知度はわずか3%でした。
今では50%以上となっています。

SDGs(持続可能な開発目標)に向けての取り組みや、ESG投資。また、倫理的な消費、エシカルにも関心を持つ人が増えました。

少しずつですが、時代は変わってきているように感じます。同時に、安易にフェアトレードを語っている人たちが増えていることにも危機感を持っています。

私たちは、フェアトレードをチャリティとして捉えるのではなく、ひとつの新しい価値として捉えて、その文化を広げていきたいと思っています。

たとえば買い物のとき、皆さんは何に価値を置きますか?

古くからの伝統あるブランドや、あこがれのデザイナーの作った商品、素材の良さ、etc.
その中に新たな価値、「誰かの笑顔につながるお買い物=フェアトレード」を提案していき、それが当たり前の価値となるように、厳しい環境に置かれた人と、市場をつないでいきたいと思います。
商品を通じて、世界に思いを馳せて、これからの時代について地球市民として考えるきっかけを提供したい。それによって、いつの日か貧困がなくなり、誰もが誇りを持って暮らせる社会につながればと思っています。